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神の子イエス・キリストの福音のはじめ

4月からマルコによる福音書を第三週礼拝で味わいます。祈祷会では昨年から帰納法的聖書研究で学んでいます。1年かけて3章。自分の目でよく観察し、自分の頭でよく考え、共に分かち合う。わからないことに光が当てられる。新たな発見がある。目からうろこが落ちる(この感想はよく聞きます)。感動を共にする。時間をかけられる祈祷会ならではの取り組み。礼拝ではそこまで時間をかけられません。祈祷会の恵みのエッセンスも含めて耳を傾けます。ということで、4月15日(日)の礼拝は、マルコによる福音書第1章1節〜8節から、「神の子イエス・キリストの福音のはじめ」と題してメッセージでした。

福音って何ですか?

『神の子イエス・キリストの福音のはじめ』。『はじめ』は「支配」と訳せます。イエス様の福音の支配がはじまる!そんな書き出し。当時はローマ皇帝が支配していました。ローマ皇帝を「主」と呼んでいました。今はA.D.2018。A.D.とは「主の年」。主はローマ皇帝ではなくイエス様。イエス様の支配が2018年間(多生のずれはあるよう)私たちにまで及んでいる。そのはじまりがマルコによる福音書に。では福音とは?当時、福音と聞けば「何かからの勝利」をイメージしました。「何かもらえる」と直感しました。人々に伝令がいち早くもたらした戦場での勝利のしらせ。福音を伝えた伝令には褒賞が与えられ、勝利した軍隊(本体)と戦利品が後から帰還し、国中が戦利品の分け前に与り勝利を祝うのです。『神の子イエス・キリストの福音のはじめ』と聞いた時、どんな勝利か?何がもらえるのか?どんな支配か?人々は期待を膨らませたのです。

罪って何ですか?

イエス様が早速登場か?と思えばバプテスマのヨハネが登場です。彼はイザヤの預言にある『荒野で呼ばわる者の声』。彼は『罪のゆるしを得させる悔改めのバプテスマ』を伝えていました。「キリスト教は罪ばかり言う」「日本は恥の文化だ」と言う方もあります。罪とは悪いことや犯罪だけを言うのではありません。罪とは的外れを意味します。的は神様。神様から的を外した最初の人アダムとエバに起こった最初の感情は何か?「恥ずかしい」でした。日本の恥の文化に通じません?神様に向かない、聞かない、従わない。それが罪。取扱説明書を読まないで、保証対象外なめちゃくちゃをやって、家電製品を壊してしまう。そんなことを私たち自身にしている。私たち自身に対するめちゃくちゃが悪いことであったり、犯罪であったりするのです。

悔い改めるって何ですか?

『ユダヤ全土とエルサレムの全住民とが、彼のもとにぞくぞくと出て行って、自分の罪を告白し、ヨルダン川でヨハネからバプテスマを受けた』。ユダヤ全土とエルサレムの全住民がみな悪人で犯罪者だったわけではありません。彼らは罪がよくわかっていた。神様を無視していた、神様に背を向けていた、神様の言葉が聞こえないふりしていた、わかっちゃいるけど従わなかった。そういう自覚。バプテスマのヨハネは『主の道を備えよ、その道筋をまっすぐにせよ』と『荒野で呼ばわる者の声』でした。罪は的外れ。神様に通じる道から外れている、あらぬ方向に行っている、とも言えます。では神様に的を戻すには?道に戻ってまっすぐ進むには?悔改める。まず悔い。自分に罪があることを認める。それだけでは前へ進めない。次に改める。頭の中だけではなく、口先だけでもなく、態度で表明するのです。それがバプテスマ。

バプテスマって何ですか?

体を水に浸すことを言います。当時それは罪を洗い流す、体を清めるという意味もありました。ですからヨハネのバプテスマは、罪が赦されるということを意味し、神様に的を戻し、神様の道に進むことを表明するものでした。日本にも禊ぎがあります。禊ぎは神道用語です。神道ってどう書きます?神の道。ヨハネのバプテスマに似てないですか?違いがあるとすれば的があるかないか?的がはっきりしているかどうか?でしょうか。的は神様。そしてイエス様です。『主の道を』とあります。主とはイエス様です。神様に的を戻すことは、イエス様に的を向けてまっすぐ従うことと同じ。それは、神様の方から私たちの方へ、イエス様がまっすぐ来てくださる、とも言い換えられます。とにかく。バプテスマはイエス様との道筋をつける準備、イエス様を迎える準備、イエス様の福音をいただく準備なのです。

私たちの身近な的、神様に通じる道、イエス様。その福音の物語が始まります。どんな勝利か?どんな分け前か?どんな支配か(その影響が日本の精神風土にもあるような)?それはこれからわかってきます。その前に私たちがするべきことがある。何はなくとも、罪を悔い改めてバプテスマを受ける。それが私たちの変革の始まりなのです。

4月22日(日)の礼拝は、創世記第35章1節〜29節から、「祝福の大河に垣間見る人間模様」と題してメッセージです。


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