カテゴリー

家庭の営みの基本

DSCF0632

5月第2日曜日は「母の日」。

その始まりは20世紀はじめ。アメリカの教会で、ある婦人の記念会が行われ、その娘が白いカーネーションを贈ったことが始まりと言われています。それから数年後、5月第2日曜日は「母の日」として、アメリカの記念日になりました。

今や「母の日」は日本でもすっかり定着していますね。

しかし最近の教会では「母の日」と言わず、多様化する家庭の実情を考慮して「家族の日」「家庭の日」と呼ぶこともあります。この日、私たちの教会では、結婚や家庭の起源を記す聖書に、箴言第31章10節〜31節に耳を傾けることにしました。

家庭の営みにすべてがあった

箴言31章には、「賢い妻」が手がける様々な営みが記されています。家事、経済活動、慈善活動、教育活動、地域活動など多岐にわたります。家庭の営みと社会の営みがほとんど境目なく直結しています。ここから「女性の皆さん!このような賢い妻になってください!」と言いたいのではありません。「賢い妻」は家族を養う女性の姿でもありますが、知恵の象徴としても記されています。本来、家庭に社会の営みのすべてがあり、家庭は社会の土台、社会創造の庭でした。この家庭の知恵を「妻」だけではなく、私たちみんなで大切にしたいのです。

家庭の営みの潤滑剤は信頼です

箴言31章では、多岐にわたる家庭の営みが記される前に「信頼」という言葉が記されています。私たちは約束したり、予定を立てたり、売り買いしたり、ルールを守ったり、すべては信頼で成り立っています。しかし不信頼が入るとどうでしょう。人間関係はぎくしゃくし、売り買いはブレーキがかかり、世界の金融市場にも影響が出て、悲観的な考えや言動が支配し、社会全体が不安定になります。この信頼をどこで学びますか?それは家庭から。赤ちゃんは母への全面信頼を学び、大きくなるにつれ、他の家族との関係からも信頼すること・されることを学ぶのではないでしょうか。

家庭の営みの土台は主を恐れること

箴言31章では、多岐にわたる家庭の営みの最後に「主を恐れる」ことが記されています。「主を恐れる」とは神様を怖がることではありません。怖い神様に仕方なく従うことでもありません。命と知恵と愛に満ちあふれた神様だから、その神様に向いて、聞いて、従うのです。これを別の言葉で言えば神様への信頼、神様への信仰となるでしょう。この「主を恐れる」ことこそ家庭の営みの土台。「主を恐れる」ことこそ信頼の土台。「主を恐れる」上に、家庭があり、信頼があり、社会がある。「主を恐れる」という土台がないと、家庭も信頼も社会もぐらぐらするのです。

家庭の営みの基本。家庭の営みは色々あるように見えます。

しかし大切なのは二つ。お互いの信頼と主を恐れること。

今の時代、家庭は核家族化し、断片化しています。家庭の機能は抜き取られ、サービスとしてお金で売り買いされています。それを買うためになお働かなくてはなりません。また家庭から信頼が失われ、弱い立場にある人が顧みられず、性や命が軽んぜられ、愛が踏みにじられています。子どもは笑わなくなり、性も混乱し、愛もわからなくなります。身近な人から不信頼や恐怖や暴力を学ぶからです。家庭回復のためにすることはたくさんあります。しかしまずは、お互いの信頼と主を恐れることから始める。そしていつも大切にする。

今の時代、神様は教会を神の家族として新創造し、神の国という新しい社会拡大の土台とされました。聖書が記された時代の大家族のような営みを、今の時代の家庭に求めることはできません。代わりに、今の時代の問題に向き合い、共に乗り越えるために神の家族としての教会があります。それぞれが直面する問題を共有し、共に泣き、共に喜び、癒やしや回復を分かち合っていきたいですね。

ということで、5月15日(日)は教会誕生のペンテコステ(聖霊降臨)を祝う聖餐礼拝。

使徒行伝1章〜2章から、「聖霊の力」と題してメッセージです。


Copyright © 2010  天授ヶ岡教会 All rights reserved