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幸い。勝利を与える主

最近は便利なものでネットを検索すればたくさんの牧師が礼拝説教をアップしておられます。旧約聖書ならヘブル語から、新約聖書ならギリシャ語から丁寧に掘り起こして語っておられます。詩篇第18篇もそうです。50節まであり、かなりのボリューム。2回以上に分けて解説されている場合が多いです。それを今回は一度で味わいます。ということで、9月6日(日)の礼拝は、詩篇第18篇1-50節から、「幸い。勝利を与えられる主」と題してメッセージです。

まずはこの詩篇の背景が前書きに書かれています。少年ダビデが巨人ゴリアテを倒して華々しいデビューを飾りました。しかしそれがきっかけでサウル王に妬まれ、命狙われ、追いかけ回されますが、ダビデは反抗せず、逃げまくり、時に気がおかしくなりそうな中も通りました。しかしサウルは敵の手に倒れ、ダビデの敵対勢力は白旗を揚げ、ダビデは王となり、周辺諸国との間も落ち着きました。そんな時に詠んだ詩。

先に働かれる主 1-19節

『わが力なる主よ、わたしはあなたを愛します』。この『愛します』は「慕います」「憐れむ」という言葉。私たちは主を慕い、主は私たちを憐れむ。聖書ではそんな風に使われる言葉。いずれも「愛します」ということ。ダビデと主、私たちと主は、愛し愛される関係。始終、どんな時も、断固として変わらない。最初にそんなゆるぎない告白がある。この箇所では、主がダイナミックに、パワフルに働かれる、畏れ多い姿が描かれます。奴隷だったイスラエルの民をエジプトから救い出された主の姿を想起します。200万人とも言われるイスラエルの民を力強く救い出される主。しかしその大きな主が、ダビデというたった1人の主でもある。圧倒的な救いの御手が1人のためにも動く!それは私たちも同じ。まずこの主がおられなければ、まずこの主が働いて下さらなければ、まずこの主に求めなければ私の救いはない。そして主は、私のためにも働いて、確かに救い出されるのです。

共にいて整えられる主 20-31節

ここにシンクロ(タイミングを合わせる)される主の姿が描かれます。「阿吽の呼吸」とも言えます。私たちの側が主を知らない振る舞いをしても主は主を知らない私たちに合わせられますし、私たちが主を知る振る舞いをするならそのように合わせられます。逆に私たちが主に合わせた振る舞いをするためには?『この神こそ、その道は完全であり、主の言葉は真実です』。だから『わたしは主の道を守り、悪意をもって、わが神から離れたことがなかった』『そのすべてのおきてはわたしの前にあって、わたしはその定めを捨てたことがなかった』とダビデ。エジプトから救い出されたイスラエルの民も、サウルから救い出されたダビデも、何もしなかったわけではありません。イスラエルの民は荒野で40年、ダビデも荒野での逃避行という厳しい環境で、主に向き合い、御言に養われ、心身共に整えられました。厳しい環境だったからこそとも言えます。私たちも同じ。先に働かれる主に導かれ従うなら、どんな中にあっても、主と心を同じくする者に整えられるのです。

私たちを用いられる主 32-50節

ここではダビデが戦場を縦横無尽に駆け巡り勝利を収めていく姿が描かれます。躍動感あり、勢いあり、圧倒的。「先に働かれる主」のようです。歴史は繰り返すと言われます。エジプトから救い出されたイスラエルの民も40年間の荒野での整えの後、カナンの地に入るため彼ら自ら戦いました。そしてダビデもまた国を確立するために戦いました。私たちも同じ。武器を持って戦えというのではありません。私たちは主の国を広げるために宣教に用いられるのです。『このゆえに主よ、わたしはもろもろの国民のなかであなたをたたえ、あなたのみ名をほめたたえます。主はその王に大いなる勝利を与え、その油そそがれた者に、ダビデとその子孫とに、とこしえにいつくしみを加えられるでしょう』。「ダビデに」と言わずに『その王に』『その油そそがれた者に』『ダビデとその子孫とに』。これはイエス様を指しています。イエス様こそ天から地に下られ、地上で激しい迫害を経験され、十字架の死とよみ降りまで経験されました。しかし復活、天に上られました。何ともダイナミック。そして再びこの世に来られ、この世を裁き、私たちを引き上げ、復活のからだを賜い、新しい天と地にまで導き入れられる!主が主の国を確立されるのです。歴史は単に繰り返されているのではなく、この最終的な救いと勝利に向かっています。私たちはその主の勝利を望み見ながら主を宣教するのです。

『とこしえにいつくしみを加えられる』。『いつくしみ』は「約束に基づく愛」です。ダビデや私たちが『愛します』と告白する以上に主は私たちを愛し、救いと勝利の約束を果たして下さるのです。

9月13日(日)の礼拝は、詩篇第19篇1-14節から、「幸い。主の言葉で喜び走る」と題してメッセージです。


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