カテゴリー

神の作品としての新創造

「セルフイメージ」「自己肯定感」という言葉をよく聞くようになりました。自分のイメージはどんなものか。自分を肯定的に受けとめられるか。それとも否定的になりがちか。「どうせ私なんかダメだ。何もできない」となるか。「ダメだから、もっと学んでやってみよう」となるか。ダメ世界基準なんてありません。他人は違った目で見ているかも知れません。他人が高く評価してくれても「私はそんなんじゃない」と、謙遜なのか本音なのか、いずれにせよ否定的にならないか。どこまでも尻込みしていないか。クリスチャンの私たちはどうか?9月12日(日)の礼拝は、エペソ人への手紙2.1-10から、「神の作品としての新創造」と題してメッセージです。

かつての私たちでさえ 2.1-3

かつての私たちは『自分の背きと罪の中に死んでいた者であり、かつては、それらの罪の中にあってこの世の流れに従い、空中の権威を持つ支配者(サタン)、すなわち、不従順の子らの中に今も働いている霊に従って』歩む者でした。罪は元々「的外れ」を意味します。神様に向かない聞かない従わない。そんな私たちが作り出した世の中は、いろんな流れ(思潮、流行、トレンド、ムーブメント…分野も表現もいろいろ)も生み出してきました。その流れに乗ると最初は楽に思える。でも段々沈んで溺れかける。そしてすがるのが「神ならぬもの」だったり。『肉の欲のままに生き』の「生きる」は「行ったり来たりする」という意味もあります。神ならぬものにすがり浮き沈みする私たちは、堂々巡りで救いがないのです。そんな私たちは『御怒りを受けるべき子(怒りの子)』でした。神様の怒りの対象としての子。自分自身が怒りの子。神様をおそれない者の自己肯定感は傲慢となります。そして分断・格差・理不尽・不信頼の乱暴な世を形成し、怒りが渦巻いていないか。でも。パウロはそんな私たちを『子』と記す。「本当は『子』なのに、なぜ別のものに従い、そんな酷いことをし、溺れかけているんだ!」。神様の怒りは「お前は本当はいいやつなんだ!」という熱い思いの現れなのです。

救われた私たちはなお 2.4-6

かつての自分に、どれだけ自分がゲンナリし、ダメだと評価しても、『あわれみ豊かな』神様は圧倒的に愛してくださっています。『背きの中に死んでいた私たちを、キリストとともに生かしてくださいました』『神はまた、キリスト・イエスにあって、私たちをともによみがえらせ、ともに天上に座らせてくださいました』。イエス様とともに私たちを救い上げ、死からいのちへ!そしてイエス様とともに復活、さらに天上にともに着座!ん?でも私はまだ地上です。復活も天上の着座もなんで過去形?私たちの未来がいかに確実かを表現するのです。『ともに』『ともに』『ともに』とガッツリ一つ!私たちが自分をどう思おうが、神様にとって私たちは最初から『子』のような存在であり、今やイエス様と同じ「栄光の子」なのです。

私たちから良い行いが 2.7-10

神様が私たちをいくら愛し、イエス様と同じと見てくださっても、「私はそんな器じゃない」と尻込みしますか?それは「私はあれもこれもできないから相応しくない」と思っているからではないか。どこかで「行いによる」と思っているのではないか。だからパウロは『恵みのゆえに』『信仰によって』救われるのであり、『神の賜物』『行いによらない』と言うのです。それは「私はこんなにできるから相応しい」と『誰も誇ることがないため』。裏返せば「私はこんなにできないからダメです」と誰も卑下しないためでもあるのです。思い上がりならぬ思い下がり。これも強情ではないか。神様はゼロからやれとは絶対言われません。至れり尽くせり。『実に、私たちは神の作品であって、良い行いをするためにキリスト・イエスにあって造られた(創造された)のです。神は、私たちが良い行いに歩むように、その良い行いをあらかじめ備えてくださいました』。ここも過去形。すでにイエス様とガッツリ一つ。単なる私じゃない。イエス(かしら)・私(からだ)となっている。良い行いさえ『あらかじめ』用意されている。あとは活動を開始するのみ。『この限りなく豊かな恵みを、来るべき世々に示す』ために、「できません!」という力みや尻込みする力を抜いて、立ち上がり歩き始めるのです。

私たちは「何をするか」の前に「誰といるか」が大事です。「誰といるか」で「何ができるか」が見えてくる。私たち教会のセルフイメージはイエス様です。大きくて多様で豊かなイエス様。1人では現しきれません。だから新しい共同体、教会が新創造されました。与えられたものを手分けして、協力して、『良い行い』を現してまいりましょう。

9月19日(日)は年長者祝福礼拝。出エジプト記3.1-4.17から、「八十歳からの男」と題してメッセージです。


Copyright © 2010  天授ヶ岡教会 All rights reserved